荒らしだと思うコメントがあっても反応しないでください。巻き添えで書き込み規制がされる場合があります。

『けものフレンズ』のロゴをデザインしたY’s 米田龍平アートディレクターのインタビュー

インタビュー (15)



——米田さんといえば「『けものフレンズ』のロゴの人」という印象がありますが、プロジェクトのキーとなる部分のデザインも担当されていますよね? 手掛けることになったきっかけを教えていただけますか?

仕事でお付き合いのあったKADOKAWAの梶井(斉)さんから声をかけていただいたのがきっかけです。吉崎観音先生と梶井さんとでやり取りしながら、まずはロゴに着手しました。当時は、まさかここまでになるとは思いもよりませんでしたけど(笑)。

——デザインを依頼された時の制作フローは決まっているのですか?

エンタメ系のビジュアル制作は、実はロゴから作成するケースが一番多いと思います。場合によってはキービジュアルも同時に作りますが、そういうときにデザインの参考としてご提供いただける資料はだいたい文章での企画書です。そこから得られる情報だけでデザインを作り出さなければなりません。クライアントからの資料を元にイメージされている世界観を導き出し、デザインとしてアウトプットする作業がまず最初にあります。

『けものフレンズ』ではキャラクターデザインなどがすでに作られていたので、かなりいろいろな考えを練り込めたし、キャラクターにハマるロゴを作ることができました。

クライアントの理想を飛び越えるデザインを

——『けものフレンズ』は様々なメディアでの展開が決まっている形でロゴを作っていったというお話ですが、それによって気をつけたところはありますか?

いろんなところで使えるっていうロゴの形を考えたのはたしかですね。ロゴの中にあまり制約をつけないようにはしていました。あまり説明をしすぎないというか、「けもの」だし獣なのかな程度しかわからないというか。

『けものフレンズ』のロゴに限ったことではないのですが、ロゴデザインをするときに「このロゴはどんな性格ですか?」といった感じの本質的な質問をクライアントにしています。色やあしらいから絞り込むと、スタートから多くの可能性を潰してしまうので、まずはこのロゴにどういう想いを込めますか?っていう漠然とした質問から作っていきます。『けものフレンズ』のロゴは動物園を好きになる人が増えるようにという想いを込めています。

実際はクライアントの細かい要望に沿って作ることもありますが、その前に考え方として、ロゴを作るというこというよりも、クライアントが想像していることをアウトプットするのがデザイナーだと思っています。僕らが考えていることが良い意味でクライアントの考えていることと化学反応を起こして、提案したデザインが良くなっていけばそれが一番いいと思うんですよ。『けものフレンズ』はそういう化学反応が起こり、修正するたびにより明確なロゴになっていったと思います。

バックグラウンド~発想の源泉~ 【第3回 米田 龍平さん(アートディレクター) インタビュー】
https://portfolio-ai.com/background-ryuheiyoneda-interview








今週の人気記事